「完成宅地」とは?家をすぐに建てられる土地のこと
マイホームを建てようと土地探しを始めたとき、「完成宅地」という言葉を目にして、「普通の土地と何が違うんだろう?」「更地とは別物?」と疑問に思ったことはありませんか。専門用語が多くて、何から調べれば良いのか不安に感じてしまう方もいらっしゃるかもしれません。
ご安心ください。この記事では、土地探しの専門家である私たち愛岐木材住建が、そんなあなたの疑問や不安に一つひとつお答えしていきます。
結論からお伝えすると、造成工事や主要インフラの引込が完了していることが多く、一般に購入後に行う工事を減らせる土地を指す。ただし建築確認申請や用途制限、現地の法令制約により追加手続きが必要な場合があるため、“すぐに建築が可能な場合が多い”と表現する。この記事を最後までお読みいただければ、完成宅地の意味はもちろん、更地との具体的な違い、そして完成宅地を選ぶことのメリット・デメリットまで、深くご理解いただけます。
不動産取引における「完成宅地」の使われ方
少し専門的な話になりますが、実務では、法令的な定義と不動産取引の実務的な使われ方が異なることがあるため、以下のように整理して説明します。
- 法的な側面:宅地造成等規制法(現行は宅地造成及び特定盛土等規制法=盛土規制法)に基づき、都道府県知事の許可を得て行われた造成工事が完了した宅地のこと。
- 不動産取引で使われる実用的な定義:上記に加えて、上下水道やガスなどのインフラ引込工事も完了し、買主がすぐに家を建てられる状態の土地のこと。
法律の定義は少し難しいですが、皆さまが土地探しで目にする「完成宅地」は、ほとんどが後者の「すぐに家を建てられる土地」という意味で使われています。この記事でも、皆さまの家づくりに直結する、こちらの実用的な意味合いを中心に解説を進めていきます。
愛岐木材住建の「カンタク」も完成宅地です
私たち愛岐木材住建では、自社で仕入れて販売する土地を「カンタク」というブランド名でご提供しています。「カンタク」は「完成宅地」を省略した言葉から考えた、私たちの土地を表すブランドです。
その名の通り、私たちが販売する土地は、すべて造成工事と上下水道の引込工事を終えた「完成宅地」です。土地のプロフェッショナルとして、お客様が余計な心配や手間なく、安心してスムーズに家づくりを始められる状態でお引渡しすることをお約束しています。
【一覧比較】完成宅地と普通の土地(更地・古家付き)の決定的違い
では、完成宅地と、一般的に「土地」として売られている更地や古家付き土地とでは、具体的に何が違うのでしょうか。家づくりにおいて特に重要となる「造成工事」「インフラ整備」「境界確定」の3つのポイントで比較してみましょう。
比較項目 | 完成宅地 | 更地 | 古家付き土地 |
---|---|---|---|
造成工事 | 完了済み | 原則必要 | 原則必要 |
インフラ引込工事 | 完了済み | 原則必要 | 状況による(要確認・再工事の場合も) |
境界確定 | 完了済み | 未了の場合が多い | 未了の場合が多い |
すぐに建築可能か | 可能 | 不可(工事・申請が必要) | 不可(解体・工事・申請が必要) |
追加費用のリスク | 低い傾向 | 高い傾向 | 非常に高い傾向 |
このように、一見すると同じ「土地」でも、購入後に必要な手間や費用が大きく異なることがお分かりいただけるかと思います。それぞれの違いを詳しく見ていきましょう。
違い① 造成工事(土地の安全性)
造成工事とは、土地を家が建てられる状態に整える工事のことです。例えば、傾斜地を平らにしたり、地盤が弱い場合に補強したりする工事が含まれます。
更地や古家付き土地の場合、この造成工事が別途必要になるケースが少なくありません。特に傾斜地や軟弱地盤だった場合、想定外の高額な工事費用が発生するリスクがあります。これは、資金計画を大きく狂わせる原因にもなりかねません。
一方、完成宅地は造成工事が完了していることで多くの工事が省略できる一方、最終的な地盤の確認は個別の地盤調査で判断され、必要に応じて地盤改良等の追加措置が発生する可能性があります。
違い② インフラ引込工事(生活の基盤)
電気・ガス・水道といったインフラは、快適な生活に欠かせません。これらの配管を、道路に埋設されている本管から敷地内まで引き込む工事が「インフラ引込工事」です。
更地の場合、この引込工事がされておらず、買主が負担して行うのが一般的です。前面道路の状況や引き込む距離にもよりますが、上下水道の引込工事費は、自治体や本管からの距離・既存設備の有無により大きく変動しますが、一般的な相場として数十万円から百万円以上になることもあります。(※自治体の加入金や設置条件により増減します)
完成宅地であれば、このインフラ引込工事も完了しているため、これらの費用や業者を手配する手間を大幅に削減できます。
違い③ 境界確定(隣地とのトラブル回避)
土地の境界が明確になっているかどうかも、非常に重要なポイントです。境界が曖昧なまま家を建ててしまうと、後々お隣さんと塀の位置などでトラブルに発展する可能性があります。
更地や古家付き土地では、境界が未確定のまま売買されることも珍しくありません。その場合、買主が費用を負担して土地家屋調査士に依頼し、隣地の所有者立ち会いのもとで境界を確定させる「確定測量」を行う必要があります。
その点、不動産会社が開発・分譲する完成宅地は、販売前に境界確定が済んでいることがほとんどです。境界標がしっかりと設置されているため、安心して購入でき、将来のトラブルリスクを未然に防ぐことができます。
完成宅地を選ぶ4つのメリット|家づくりがスムーズになる理由
ここまで解説した「違い」から、完成宅地を選ぶことには多くのメリットがあることが見えてきます。特に初めて家づくりをされる方にとって、時間・費用・精神的な負担を大きく軽減できる、4つの具体的なメリットをご紹介します。
1. 予期せぬ追加費用がなく資金計画が立てやすい
家づくりで最も不安なことの一つが、予期せぬ出費ではないでしょうか。更地を購入した場合、土地の状態によっては造成工事やインフラ引込工事で数百万円単位の追加費用がかかる可能性があります。
完成宅地は、これらの変動要素が大きい工事費用が土地価格に含まれているため、購入前に総額が明確です。これにより、住宅ローンの借入額や自己資金の計画が非常に立てやすくなり、安心して家づくり全体の資金計画を進めることができます。
2. すぐに建築を開始でき、入居までの期間が短い
土地を購入してから実際に家が完成するまでの期間は、できるだけ短い方が嬉しいものです。更地の場合、土地の契約後に造成やインフラ工事の業者を探し、見積もりを取り、工事を行い、各種の許可申請を待つ…といった時間が必要です。
完成宅地なら、これらのプロセスがすべて完了しているため、土地の引渡し後すぐに住宅の設計や建築工事に着手できます。入居までの期間が短縮されることで、現在お住まいの賃貸物件の家賃を払い続ける期間も短くなり、結果的に総支出を抑えることにも繋がります。
3. 土地に関する手続きの手間や精神的負担が少ない
もしご自身で造成やインフラ工事を手配するとなると、複数の業者と打ち合わせをしたり、見積もり内容を比較検討したり、役所への申請手続きを行ったりと、非常に多くの手間と時間、そして専門知識が求められます。
完成宅地を選ぶことで、これらの煩雑なプロセスをすべてプロに任せることができます。土地に関する心配事が減ることで、本来最も時間をかけたい「どんな家に住みたいか」という、家づくりのプランニングに集中できるのは、大きな精神的メリットと言えるでしょう。
4. プロが造成した安全な土地で安心して暮らせる
大切な家族と長く暮らす家だからこそ、その土台となる土地の安全性は絶対に妥協できないポイントです。完成宅地は、私たちのような不動産や建設のプロが、その土地の特性を理解した上で責任を持って造成しています。
当社は東濃エリアでの長年の開発経験を有しており、地域の地質や災害リスクについての知見があります。具体的な地盤の強さや災害リスクは、該当地域のハザードマップや地盤調査報告をご確認ください。プロが手掛けた土地であるという安心感は、何物にも代えがたい価値があります。
完成宅地のデメリットと契約前に確認すべき注意点
多くのメリットがある完成宅地ですが、良い面ばかりではありません。後悔のない土地選びをするために、デメリットや契約前に必ず確認すべき注意点についても、正直にお伝えします。
デメリット:更地より価格が高く、選択肢が限られる
完成宅地は、造成工事やインフラ工事の費用が土地価格に反映されているため、周辺にある未整備の更地と比較すると、坪単価や総額が高くなる傾向があります。一見すると「割高」に感じられるかもしれません。
しかし、これまでご説明した通り、更地は購入後に追加費用がかかる可能性が高いため、土地代と工事費を合わせた総額で比較検討することが重要です。総額で考えれば、必ずしも完成宅地が高いとは限らないケースも多々あります。
また、常に市場に出ているわけではないため、希望のエリアやタイミングで理想の完成宅地を見つけるのが難しい場合があることも、デメリットの一つと言えるかもしれません。
注意点① どこまでの工事が含まれているか契約前に確認する
「完成宅地」という言葉だけで安心せず、その価格にどこまでの工事が含まれているのかを、契約前に必ず確認しましょう。具体的には、不動産会社から提示される「売買契約書」や「重要事項説明書」で、以下の項目をチェックすることが大切です。
- 造成工事(擁壁、地盤改良など)の範囲
- 上下水道の引込状況(敷地内のどの位置まで配管されているか)
- ガスの配管状況(都市ガスかプロパンガスか、引込の有無)
- 境界標の設置状況
- 外構工事(フェンスや駐車場など)の有無
疑問点があれば遠慮なく質問し、書面で回答をもらうようにすると、後のトラブルを防ぐことができます。
注意点② 「建築条件付き土地」ではないか確認する
完成宅地として販売されている土地の中には、「建築条件付き土地」であるケースも多く見られます。
建築条件付き土地とは、土地の売買契約後、一定期間内に、指定された建築会社で住宅を建てることを条件として販売される土地のことです。
この条件には、土地と建物をセットで考えることでスムーズに家づくりが進められるというメリットがある一方、「建築会社を自由に選べない」というデメリットもあります。ご自身の希望するハウスメーカーや工務店がある場合は、特に注意が必要です。土地を検討する最初の段階で、建築条件の有無を必ず確認しましょう。
岐阜・東濃エリアで完成宅地を探すなら「カンタク」の愛岐木材住建へ
この記事では、「完成宅地」とは何か、更地との違いやメリット・デメリットについて詳しく解説してきました。予期せぬ追加費用や煩雑な手続きの手間を省き、スムーズに家づくりを進めたい方にとって、完成宅地は非常に合理的で賢い選択肢の一つです。
私たち愛岐木材住建は、岐阜県東濃エリア(多治見市、土岐市、瑞浪市、恵那市、中津川市)において、長年にわたり地域に密着した事業を展開してきました。
豊富な土地分譲実績(年間約100区画仕入れ・自社調べ)に裏打ちされた情報網を活かし、良質な土地をいち早く仕入れています。そして、私たちが販売する土地はすべて、造成・上下水道引込工事を済ませた「カンタク(完成宅地)」。仲介業者を介さないため仲介手数料が不要となり、その分、お客様にメリットをご提供できる場合があります。(※登記費用・税金・自治体負担金などは別途必要です。)
土地探しから、デザイン性・性能・耐震性の高い家づくり、そしてアフターフォローまで、私たち愛岐木材住建が一貫してサポートいたします。東濃エリアで土地探しにお悩みでしたら、ぜひ一度、私たちにご相談ください。お客様が笑顔で家づくりを進められるよう、スタッフ一同、全力でお手伝いさせていただきます。
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