【結論】土地購入後の不動産取得税:最初に知るべき3つのポイント
東濃エリアで土地を購入された方、これから土地を探す方は、土地購入後に課される「不動産取得税」の基本的な仕組みと軽減措置の要件を事前に確認しておくことが重要です。
最初に、この記事の結論として最も大切な3つのことをお伝えします。
- 納税通知書は忘れた頃(約半年後)に届く
岐阜県では、中古家屋・土地について、登記(取得)からおおむね4ヶ月から6ヶ月程度を目安に納税通知書が送付されます。すぐに請求が来るわけではないので、慌てずに準備しておきましょう。 - 軽減措置によって税額が0円になることもある
不動産取得税には大きな「軽減措置」があります。これからご説明する条件を満たし、軽減額が本来の税額以上になれば、土地にかかる不動産取得税は最終的に0円になります。 - 軽減措置を受けるには「申告」が必要です
この軽減措置は、自動的には適用されません。ご自身で「私は軽減措置の対象です」と県税事務所へ申告して初めて適用されます。この手続きを知っているかどうかが、数十万円の差を生むこともあります。
この記事では、ご自身で不動産取得税の仕組みを理解し、軽減措置を受けるための申告手続きを進められるようになることを目指します。ただし、個別の土地の特殊な事情や、複雑な条件が絡む場合は、最終的に県税事務所や私たちのような不動産の専門家にご相談いただくのが最も確実です。
土地購入にかかる費用全体の概要については、土地購入にかかる諸費用で体系的に解説していますので、併せてご覧ください。
不動産取得税の基本:いつ・誰が・何を基準に支払うのか?
不動産取得税の具体的な計算や手続きの話に入る前に、まずは「そもそも、どんな税金なのか?」という基本を整理しておきましょう。これが分かると、後の話がスムーズに理解できますよ。
不動産取得税とは、その名の通り、土地や建物といった不動産を「取得した」という事実に対して、一度だけ課される都道府県の税金です。毎年支払う固定資産税とは違い、支払いは取得時の1回きりです。
納税通知書は土地取得から約半年後に届く
「いったいいつ払うの?」という疑問が最も多いですが、**岐阜県では、土地の不動産取得税の納税通知書は、登記(取得)からおおむね4か月~6か月後を目安に発送されます。**すぐに請求が来るわけではないため、あらかじめ納税に備えて資金を見込んでおくとよいでしょう。
土地の決済や登記が終わってから一定期間が経過した後に納税通知書が届くため、事前に資金を見込んでおくことが重要です。事前に心の準備と資金の準備をしておくことが大切ですね。
税額の基準は「固定資産税評価額」であり売買価格ではない
次に、「いくらに対して税金がかかるの?」という基準についてです。ここで多くの方が誤解しがちなのですが、税額の計算基準になるのは、実際にあなたが支払った土地の購入価格(売買価格)ではありません。
基準となるのは、市町村が管理する「固定資産税評価額」という公的な価格です。土地の固定資産税評価額は、一般的に地価公示価格等の7割程度を目安に評価されます。ただし、個別の売買価格とは異なるため、必ずしも購入価格の7割になるとは限りません。ですから、「あんなに高い金額で買ったのだから、税金も相当高いのでは…」と過度に心配する必要はありません。
ご自身の土地の固定資産税評価額は、市町村役場で「固定資産評価証明書」を取得することで確認できます。
本則税率は4%、ただし土地・住宅は特例で3%に
不動産取得税の本来の税率(本則税率)は4%です。しかし、現在(2027年3月31日までの取得)は特例措置が設けられており、土地や住宅の税率は3%に軽減されています。
これから東濃エリアで住宅用の土地を購入される方は、基本的にこの3%の税率で計算すると考えていただいて問題ありません。この軽減措置は期間限定のものですが、これまでも延長が繰り返されてきた経緯があります。
こうした土地購入の際には、仲介手数料などの諸費用もかかりますので、税金の仕組みを理解して賢く資金計画を立てたいですね。
【簡単シミュレーション】土地の不動産取得税はいくらになる?
それでは、ここまでの基本情報を基に、ご自身の土地の不動産取得税がいくらになるのか、簡単なシミュレーションをしてみましょう。ここではまだ、最終的な軽減措置を考慮しない「原則の税額」を計算してみます。
ステップ1:土地の課税標準額を算出する
まず、税金を計算するための元となる金額「課税標準額」を求めます。ここでも嬉しい特例があります。
2027年3月31日までに取得した宅地及び宅地比準土地の場合、課税標準額は「固定資産税評価額 × 1/2」に減額されます。これは自動的に適用される非常に大きな軽減措置です。
例えば、瑞浪市で固定資産税評価額が1,000万円の土地を購入したとしましょう。この場合、課税標準額は半分の500万円として計算されることになります。
ステップ2:税率3%を掛けて原則の税額を求める
次に、ステップ1で算出した課税標準額に、現在の特例税率である3%を掛け合わせます。
計算式:(固定資産税評価額 × 1/2) × 3% = 原則の税額
先ほどの例で計算してみましょう。
課税標準額500万円 × 3% = 15万円
この15万円が、原則として納めるべき不動産取得税の額になります。しかし、ご安心ください。住宅を建てる方には、ここからさらに強力な軽減措置が用意されています。この税額が最終的にゼロになる可能性が高いのです。
土地の購入では、値引き交渉だけでなく、こうした税金の知識もコスト削減に繋がります。

【必須知識】住宅用地の不動産取得税をゼロにする軽減措置
ここからがこの記事で最も重要なポイントです。住宅を建てる目的で土地を購入した場合、先ほど計算した税額から、さらに大きな金額を控除(差し引く)できる「軽減措置」があります。軽減額が本来の税額以上になれば、土地の不動産取得税はゼロになります。
ただし、何度も繰り返しますが、この措置はご自身で「申告」をしなければ適用されません。何もしなければ、原則通りの税額(先の例では15万円)を支払うことになってしまいます。必ず手続きを行いましょう。
軽減措置の仕組み:算出された税額から一定額が控除される
この軽減措置は、以下のAかBのいずれか高い方の金額を、先に計算した税額から差し引けるというものです。
- A:45,000円
- B:(土地1㎡あたりの固定資産税評価額 × 1/2)×(住宅の床面積 × 2(上限200㎡))× 3%
計算式Bは少し複雑に見えますが、簡単に言うと「住宅の床面積と土地1㎡当たりの価格に応じて、土地の税額を軽減する」という制度です。AとBをそれぞれ計算し、いずれか高い方の金額が税額から軽減されます。
土地を先に購入する場合の主な条件:3年以内に住宅を新築すること
土地を先に購入してから住宅を新築する場合、軽減措置を受けるための重要な条件の一つが、「土地を取得してから原則3年以内に、その土地の上に住宅が新築されること」です。ただし、土地取得者が住宅の新築までその土地を引き続き所有している場合、または土地取得者からその土地を取得した方が住宅を新築した場合に限られます。
他にも、住宅の床面積が40㎡以上240㎡以下であることなどの要件があります。なお、令和8年3月31日以前の取得分は原則として50㎡以上が要件です。土地探しと家づくりのスケジュールを考える上で、この期間は常に意識しておく必要があります。
つまり、土地を買っただけではこの軽減措置は使えず、きちんと住宅を建てる計画がある人のための優遇制度だということです。
計算例:評価額1000万円の土地に家を建てると税額は0円に
それでは、これまでの情報をすべて使って、最終的な納税額がどうなるかを見てみましょう。
【設定】
- 土地:固定資産税評価額1,000万円、面積200㎡
- 新築する住宅:床面積120㎡
【計算プロセス】
- 原則の税額を計算する
(1,000万円 × 1/2)× 3% = 15万円 - 軽減される額(控除額)を計算する
まず、土地1㎡あたりの評価額を計算します。
1,000万円 ÷ 200㎡ = 5万円/㎡
これを控除額の計算式Bに当てはめます。住宅の床面積の2倍は200㎡が上限となるため、このケースでは200㎡で計算します。
(5万円/㎡ × 1/2)× 200㎡ × 3% = 15万円 - 最終的な納税額を算出する
原則の税額から、控除額を差し引きます。
15万円(税額) – 15万円(控除額) = 0万円
このケースでは、軽減額と本来の税額が同額になるため、納税額は0円となります。土地の評価額や面積、住宅の床面積などによって税額は異なりますが、軽減額が本来の税額以上になれば、最終的な納税額は0円になります。
軽減措置を受けるための申告手続き完全ガイド
「税金がゼロになるのは分かったけど、具体的にどうすればいいの?」という疑問にお答えします。ここでは、軽減措置を受けるための申告手続きを、誰でも分かるように解説します。
特に、土地を先に購入して建物がまだ完成していない場合、手続きは「徴収猶予」と「還付」の2パターンに分かれます。ご自身の状況に合わせて、どちらの手続きを取るべきか確認しましょう。
申告先は土地所在地の「県税事務所」
まず、申告の窓口ですが、不動産取得税は都道府県税なので、市役所や町役場ではありません。その土地がある場所を管轄する「県税事務所」が申告先となります。
私たち愛岐木材住建株式会社が事業を行う東濃エリア(多治見市、土岐市、瑞浪市、恵那市、中津川市)の場合、管轄は「東濃県税事務所」です。
- 名称:岐阜県東濃県税事務所
- 所在地:多治見市上野町5-68-1 東濃西部総合庁舎内
手続きで分からないことがあれば、こちらの窓口に問い合わせることになります。
建物が未完成の場合:納税を待ってもらう「徴収猶予」
土地を先に購入し、これから家を建てる場合は、建物がまだ完成していないため、軽減措置の適用が確定するまで不動産取得税の「徴収猶予」を受けられる場合があります。
岐阜県では、住宅用土地の軽減措置を受けるための申告は、土地を取得した日から原則60日以内とされています。そのため、納税通知書が届くのを待つのではなく、土地取得後に必要書類を準備して、管轄の県税事務所へ申告します。
これが「徴収猶予」の制度です。この申請が認められれば、一旦納税する必要はなくなり、建物が完成した後に、最終的に税額が0円になる手続きを行います。
申請には、主に以下のような書類が必要になります。
- 住宅用土地の取得(減額(徴収猶予該当))申告書
- 土地の売買契約書の写し
- 建築確認済証の写し
- 建物の平面図など
(※必要書類は自治体や状況により異なる場合があるため、必ず管轄の県税事務所にご確認ください)
この制度を使えば、家が完成するまでの間、一時的にでも数十万円の税金を支払う必要がなくなるため、資金計画に余裕が生まれます。家づくりのスケジュールと合わせて、申告のタイミングを逃さないようにしましょう。
やむを得ず納税した場合:払い過ぎた税金を取り戻す「還付」
「徴収猶予の制度を知らずに、満額の税金を払ってしまった…」という場合でも、諦める必要はありません。そのための救済措置が「還付」です。
建物が完成した後、住宅用土地の軽減措置の要件を満たしていれば、すでに納めた不動産取得税について減額・還付を申請できます。軽減によって納め過ぎとなった税額がある場合は、その分が還付されます。
この申告が認められれば、一度納めた税金が指定の口座に返金されます。岐阜県では、軽減措置の申告は取得日から原則60日以内とされています。申告が60日を超えていても、不動産を取得してから5年以内であれば軽減措置を受けられる場合がありますが、忘れないうちに早めに手続きをすることをおすすめします。
還付申告には、主に以下のような書類が必要になります。
- 不動産取得税の減額(納税義務免除)(還付)申請書
- 土地の売買契約書の写し
- 建物の登記事項証明書(登記簿謄本)
- 納税した際の領収証書
(※こちらも、必ず管轄の県税事務所にご確認ください)
理想は「徴収猶予」で一時的な支払いも避けることですが、万が一支払ってしまっても、この「還付」の仕組みを知っていれば安心ですね。

【東濃エリア版】土地契約前に必ず確認すべきチェックリスト
土地を先に購入してから住宅を新築する場合は、原則として土地取得後3年以内に住宅を新築することが軽減措置の重要な要件です。しかし、購入した土地に予期せぬ問題があり、「そもそも家が建てられない」「建築に想定外の時間や費用がかかる」となっては元も子もありません。
そこで、土地の売買契約を結ぶ前に必ず確認すべきチェックリストをご紹介します。
確認事項①:土地の面積と形状は問題ないか?
まず、広告や図面で土地の面積と形状を確認します。ポイントは、「希望する広さや間取りの家が、無理なく建てられるか」という視点です。
- どこを見る?:不動産会社が提供する販売図面、公図、測量図。
- チェックポイント:
- 極端に細長い、三角形など、使いにくい形の土地(不整形地)ではないか?
- 高低差の大きい傾斜地ではないか?(造成に多額の費用がかかる可能性があります)
- 雨水排水や側溝の位置は問題ないか?
- どう質問する?:「この土地に、床面積〇〇㎡くらいの家を建てることは可能ですか?造成費用などが別途かかりそうでしょうか?」
確認事項②:建築に関する法的な制限はクリアしているか?
土地には、法律や条例によって様々な建築ルールが定められています。これをクリアしないと家は建てられません。
- どこを見る?:不動産会社が契約前に説明する「重要事項説明書」の草案、市役所の都市計画課などで確認できる情報。
- チェックポイント:
- 区域区分・用途地域:住宅を建てるうえで、都市計画上どのような制限がある土地なのかを確認します。たとえば多治見市には市街化区域と市街化調整区域があり、市街化調整区域では開発や建築に一定の制限があります。また、用途地域によって建築できる建物の用途や規模などにも制限があります。
- 接道義務:建築基準法で定められた道路に、土地が2m以上接しているか?
- その他:東濃エリアの景観条例や、がけ条例など、地域特有の制限がないか?完成宅地として売られている場合は多くの問題がクリアされていますが、それでも確認は必要です。
- どう質問する?:「この土地は、購入後すぐに住宅の建築確認を受けられる状態ですか?何か特別な手続きや満たすべき条件はありますか?」
これらの確認は、水道の引き込みや契約不適合責任の問題と並んで、土地購入で後悔しないための非常に重要なステップです。
判断の分岐点:問題が見つかった場合の3つの選択肢
もし、これらのチェックで何らかの問題や懸念点が見つかった場合、冷静に次の3つの選択肢を検討しましょう。
- 見送る
建築のハードルが非常に高い、解決にかかる費用が予算を大幅に超えるなど、リスクが大きいと判断した場合は、その土地の購入を見送るのが賢明な判断です。 - 条件を調整する
問題解決が可能で、その費用が見積もれる場合は、その分を価格から差し引いてもらうよう交渉したり、売主の責任で問題を解決(例:隣地との境界を確定させる測量を行うなど)してもらうことを契約の条件に加える、という方法です。 - 追加調査する
私たちのような建築も手掛ける会社に相談し、その土地に家を建てるための具体的な対策や、かかる費用の詳細な見積もりを取る方法です。リスクを正確に把握した上で、購入を判断します。
まとめ:事前の知識と計画的な申告で、不動産取得税の不安は解消できる
土地購入後の不動産取得税は、一見すると複雑で、「いきなり高額な請求が来たらどうしよう」と不安に感じられるかもしれません。
しかし、この記事でお伝えした通り、
- 住宅を建てるための土地には、強力な軽減措置があること
- その結果、多くの場合で税額はゼロになること
- 軽減措置を受けるためには、ご自身での「申告」が必要であること
この3点をしっかり理解しておけば、納税通知書が届いた場合でも、要件と手続きを確認すれば対応しやすくなります。納税通知書が届いても慌てず、ご自身の状況に合わせて「徴収猶予」または「還付」の手続きを計画的に進めていきましょう。
私たち愛岐木材住建株式会社は、東濃エリアで40年以上にわたり、土地探しから家づくりまでを一貫してサポートしてきました。土地の条件や法的制限、追加費用の可能性を事前に確認し、お客様が計画的に家づくりを進められるようサポートしています。
土地探しや資金計画でご不安な点がございましたら、いつでもお気軽にご相談ください。






